自宅民泊の始め方!費用・利回り・チェックポイントを解説!

自宅民泊の始め方!費用・利回り・チェックポイントを解説!

「自宅で民泊をスタートしたいんだけどできるのかな?」

「自宅で民泊をスタートしたとして、利益は出るの?」

このような悩みを抱えている方も多いでしょう。

自宅を収益不動産化してローンの返済の足しにしたいという方も多いはずです。

ただ、本当に民泊が運営できるのか疑問に思っているのではないでしょうか。

当記事では自宅で民泊を始める方法や成功法則を詳細に解説します。

監修者
民泊管理バンク 代表 高橋拓真

池袋で民泊運営しながら民泊代行サービスも展開

2018年に鎌倉で民泊運営を開始。その後、民泊運営代行も運営する傍ら、池袋(東京都)でも自社の民泊を運用中。

客単価と稼働率を上げることが得意。民泊運営のリアルな情報を発信している。

>プロフィールを見てみてる

続きを見る

自宅で民泊を始めることは可能!

民泊新法では自宅で民泊を始めることも可能であると記載されています。

自宅で民泊を始めるためには、現実的なラインとして特区民泊もしくは民泊新法を活用した運営になるでしょう。

特区民泊は365日運営が可能であり、民泊新法は180日の運営しかできません。

仮に民泊運営初心者のオーナーが自宅を民泊物件にするなら、申請のみで運営が可能な民泊新法型を採用するといいでしょう。

参考:民泊の始め方7ステップを現役ホストが徹底解説!

自宅で民泊をする3つの始め方

自宅で民泊を始める方法は以下のとおりです。

  1. 備品を集めて準備する
  2. 必要書類を役所などに提出する
  3. 予約サイトに登録して予約獲得を目指す

最低限の準備になりますが、より詳しい情報を知りたい方は以下の記事を参考にしてみてください。

参考:一軒家での民泊の始め方|失敗しないための手順5STEPを徹底解説

自宅民泊運営1.備品を集めて準備する

既に自宅という物件はあるので、備品を集めて民泊の準備をするところからスタートします。

自宅をそのまま貸し出すというよりも、予約獲得のために内装をこだわって整備するイメージが近いです。

たとえば、テーブルを新品にしたり、トイレなどの水回りをリフォームしたりなど、予約してもらうための準備をすると考えておくといいでしょう。

その他にも必要なアメニティを揃えておかないと、悪いレビューが付いてしまう恐れがあるため必要十分量を揃えてください。

参考:民泊に必要なアメニティはこれだけ揃えれば大丈夫!

自宅民泊運営2.必要書類を役所などに提出する

備品を集めて準備すると同時に必要書類を役所などに提出するようにしましょう。

携わるオーナーが多いであろう民泊新法での運営に必要な書類は以下のとおりです。

  1. 住宅宿泊事業届出書
  2. 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者に該当しない旨の市町村長の証明書
  3. 欠格事由に該当しないことを誓約する書面
  4. 住宅の登記事項証明書
  5. 住宅が「入居者の募集が行われている家屋」に該当する場合は、入居者募集の広告その他それを証する書類
  6. 「随時その所有者、賃借人又は転借人に居住の用に供されている家屋」に該当する場合は、それを証する書類
  7. 住宅の図面(各設備の位置、間取り及び入口、階、居室・宿泊室・宿泊者の使用に供する部分の床面積)
  8. 賃借人及び転貸人が、転貸を承諾したことを証する書類
  9. 区分所有の建物の場合、規約の写し
  10. 規約に住宅宿泊事業を営むことについて定めがない場合は、管理組合に禁止する意思がないことを証する書類
  11. 委託する場合は、管理業者から交付された書面の写し

参考:【テンプレ付き】 民泊の申請を確実に最短・無料で行う方法とは?

これらの書類を自身で提出するか、代行してくれる会社などに依頼して提出しなければなりません。

最初の入り口が難しく感じるかもしれませんが、申請するだけなので簡単です(その他の運営方法は許可が必要)。

自宅民泊運営3.予約サイトに登録して予約獲得を目指す

最後にAirbnbなどの予約サイトに登録して予約獲得を目指しましょう。

予約サイト上の検索で上位表示化するとともに、Instagram映えする写真撮影をし掲載します。

ただ、自身での登録では上位化できなかったり、適切な値段設定ができなかったりするので、民泊管理バンクなどの運営代行業者に依頼するほうが確実です。

準備までも大変ですが、自宅を収益化するためには予約獲得までが民泊運営だと考えましょう。

民泊を自宅で始める場合の費用は10万円〜

民泊を自宅で始める場合の費用は、寝具をゲスト用に揃えたりアメニティを揃えたりなどでおおよそ10万円前後からの投資になるでしょう。

ただ、自宅の内装や外観、配管工事などが必要な場合には、想定以上の費用が必要です。

具体的なリフォームの費用相場は以下のとおりです。

項目費用相場
水回りのリフォーム(風呂・トイレ・台所・洗面所)100〜200万円
配管工事(13mm口径を20mm口径に変更)40万円程度
スケルトンリフォーム10〜50万円(坪単価)

特に水回りのリフォームは居住による経年劣化が考えられるので、民泊物件の価値向上施策として取り組むと予約獲得に寄与するでしょう。

民泊を自宅で始めた場合の利回りの期待値と相場

民泊を自宅で始めた場合の利回り期待値とその他不動産投資・活用の利回り相場を比較してみましょう。

前提として、自宅に毎月4組かつ組単価2万円(原価抜き)で予約獲得できたとすると毎月8万円の収入になります。

また、これだけの組単価を出すためには最低限水回りのリフォームはしなければならないので、初期費用は210万円(水回りリフォーム+寝具等の準備)とします。

すると、期待利回りは以下の計算式で求められます。

96万円(8万円×12ヶ月)÷210万円=約45.7%

※ただし、住宅建築費用は含まないため、通常の利回りで計算するとかなり低くなります。

この数字をベースにして他の不動産投資と比較してみると以下のようになります。

不動産投資形態期待利回り相場
不動産投資(賃貸)約5%
ホテル・旅館5〜6%
レンタルスペース50%(売上額が低い点に注意)

レンタルスペース投資は2年ほどで初期費用が全て回収できる計算になっていますが、売上額が低い点に注意が必要です。

反対に不動産投資はパーセンテージが低い変わりに売上額が大きいことから、生活費を抜いたとしてもキャッシュフローを維持できます。

ホテル・旅館とレンタルスペースの間くらいに民泊という形態が存在していると考えると分かりやすいでしょう。

うまくいく自宅での民泊運営の始め方【4STEP】

自宅での民泊運営を成功させるには次のステップがあります。

  1. 自宅民泊の運営方法を考える
  2. 自宅の位置を考え、適切な戦略設計をする
  3. 第三者から民泊運営の戦略設計の評価を受ける
  4. 予約サイトに掲載する

それぞれ解説します。

STEP1.自宅民泊の運営方法を考える

自宅の民泊運営方法を考えるところから運営を成功させるステップが開始されます。

自宅を民泊運営するのであれば、大きく分けて次の方法があります。

  • ホームステイ型(家主居住型)民泊運営
  • 家主不在型民泊運営

それぞれ解説します。

ホームステイ型(家主居住型)民泊運営

ホームステイ型の民泊運営は家主が居て一緒の空間を楽しむことが基本になる民泊うんえです。

ゲストに対してホストが手作りカレーを作ってもてなしたり、手巻き寿司作りを手伝ったりなど様々な価値提供をして非日常空間を演出します。

家主が一緒に居住することで、食事以外にも居酒屋やバーの付き添いや観光地巡りのガイドなども提供できます。

このようなガイド付きという価値提供をすると、自宅民泊でも組単価向上を目指せるでしょう。

家主不在型民泊運営

家主不在型の民泊運営は通常の民泊運営と同様に内装をシンプルながら綺麗にするのが成功の秘訣です。

モダンさとおしゃれさを兼ね備えた、Instagram映えのする内装にするといいでしょう。

また、「この物件に泊まりたい」というゲスト側のニーズを満たせるコンテンツ(ビール飲み放題やサウナなど)も揃えておくと予約獲得につながります。

STEP2.自宅の位置を考え、適切な戦略設計をする

自宅で民泊をするなら、自宅の位置を考え適切な戦略設計をするようにしましょう。

というのも、自宅をもう一度新築で建て直すことはほとんど不可能なので、場所にあった内装やコンテンツを揃える必要があるからです。

具体的には次のような戦略設計をするといいでしょう。

  • 観光地・自然・人の往来が多い地域:内装をシンプルにしてホテル感を出したり、付き添いなどのコンテンツで価値提供する
  • 人の往来が多くない地域:この物件を目的に宿泊しに来たと思わせられるコンテンツを用意する

自宅が観光地などの人の往来が多い地域の場合は、GWなどの大型連休で常時100%稼働も目指せるでしょう。

反対に人の往来が少ないのであれば、その民泊にしかないコンテンツを用意しSNSで拡散しながら予約獲得を目指しましょう。

駅から遠い民泊でも収益を出す方法は、こちらの記事からチェックしてみてください。
駅から遠くても人気物件にするコツを見てみる

STEP3.第三者から民泊運営の戦略設計の評価を受ける

立地戦略までまとめたら第三者から民泊運営の評価を受けるようにしてください。

具体的な評価ポイントは以下のとおりです。

  • 写真映えする内装・外観になっているか
  • 立地戦略にミスはないか
  • 営業停止にならないか

それぞれ解説します。

評価ポイント1.写真映えする内装・外観になっているか

第三者視点からの評価を受けるなら、まず写真映えする内装や外観になっているかのチェックが必要です。

Airbnbなどの予約サイトに登録する際にも写真は必要ですし、SNSに投稿して反応を得るにしても必要です。

たとえば、Instagramに投稿すれば女性が「泊まりたい」といって、カップルや女子会で宿泊することも狙えます。

このようにゲストは実際に中身を見れない以上、写真映えを意識した内装・外観にするようにしてください。

評価ポイント2.立地戦略にミスがないか

立地戦略をオーナー自身で考えたのなら、戦略上のミスがないかを第三者にチェックしてもらうことは必須です。

立地戦略は土地の特徴を冷静に観察する必要があり、観光資源が近くにあるといっても、実は人の往来が少ない場合もあるでしょう。

たとえば、三重県には四日市港という観光資源がありますが、四日市周辺に来る人はビジネス目的が多いです。

このように自宅がある土地では何を目的に人が来ているのかをつぶさに評価してもらう必要があります。

評価ポイント3.営業停止にならないか

最後の評価ポイントは営業停止にならないかです。

申請書に不備があったり、許可が降りていないものがあったりと民泊運営には様々な許可・申請が必要になります。

せっかく開業できたのに営業が停止になってしまえば元も子もありません。

STEP4.予約サイトに掲載する

最後は予約サイトに掲載して初めて、予約獲得につながる点に注意しましょう。

ここまでの流れはあくまで準備であり、予約サイトに写真を掲載し説明も掲載しなければ意味がありません。

具体的な流れは以下のとおりです。

  1. SNS映えする写真を撮影する
  2. 予約サイトに写真をアップロードする
  3. 説明書きを加える
  4. SNSでも投稿をおこなう

このような流れで予約サイトに掲載すると、ようやく認知され予約がスタートします。

参考:Air bnbで予約が入りやすい民泊の写真の撮り方のコツ

個人の自宅で民泊を始めるには住宅宿泊管理業者の資格が必要

個人の自宅で民泊を始めるには住宅宿泊管理業者の資格が必要な点についても注意しましょう。

住宅宿泊管理業者とは家主不在型民泊運営に必ず必要な資格であり、基本的に代行業者に依頼することで法律違反を免れます。

近隣トラブルなどに対応してくれる業者と契約しておくことは、国からの定めであり逮捕事由にもなるため注意しましょう。

民泊管理バンクでは住宅宿泊管理業務の再委託もおこなっていて、オーナーが自らホスト業務をおこなえる仕組みも整えています。

もし仮にホスト業務は自身でおこないつつ、代行費用を少なくしたいと考えているなら検討してみてください。

自宅で民泊運営を始める際の注意点

自宅で民泊運営を始める際には民泊新法の180日ルールに従って運営をしなければなりません。

180日以上での運営が認められていないため、適切な民泊戦略を採用しなければ黒字化が難しいと考えておきましょう。

180日ルールは民泊新法に則ったルールなので、その他の営業形式では影響を受けません。

より詳しい話については以下の記事を参考にしてください。

参考:民泊の180日ルールとは?4つの抜け道をご紹介!

自宅での民泊運営によくある失敗

自宅での民泊運営によくある失敗は以下のとおりです。

  • 賃貸では大家さんからの許可や転貸借許可が必要
  • 分譲マンションでは管理組合との交渉が必要
  • 住宅ローン活用物件では債権者の同意が必要
  • ホームステイ型ではプライバシー漏洩と盗難リスクがある
  • 騒音・近隣トラブルもある

それぞれ解説します。

賃貸では大家さんからの許可や転貸借許可が必要

賃貸では大家さんからの許可や転貸借許可が必要になります。

賃貸物件は所有権が大家さんにありますし、転貸借は家賃が未回収になるリスクも高まるため、大家さんは認めたがらないと考えておきましょう。

そのため、そもそも転貸借が認められている物件を借りるという手段もあります。

分譲マンションでは管理組合との交渉が必要

分譲マンションでは管理組合との交渉が必要です。

分譲マンションでは一室はオーナーの所有権がありますが、共用部分はマンションに居住する住民全員のものです。

仮に民泊運営をするとなると、共用部分を他人に使わせることになり権利問題が出てくることはすぐに分かるでしょう。

そのため、分譲マンションでは管理組合との交渉が必ず必要になります。

住宅ローン活用物件では債権者の同意が必要

住宅ローン活用物件では債権者の同意が必要です。

というのも、住宅ローンのほとんどは担保として住宅を扱っていますし、そもそも居住することを理由に金利を引き下げています。

不動産投資用のローンであれば問題はありませんが、住宅ローンの場合には居住することが条件になっている場合が多いので、債権者の同意が必要と考えておきましょう。

ホームステイ型ではプライバシー漏洩と盗難リスクがある

ホームステイ型の民泊運営ではプライバシー漏洩と盗難リスクがある点に注意しましょう。

家主が居住していれば当然プライベートな話題がなされることもあります。

たとえば、近隣トラブルの話であったり、ゲストの印象などが漏れればクレームにつながりかねません。

また備品や貴重品が盗難されるリスクは常にあるため、十分に注意しましょう。

騒音・近隣トラブルもある

民泊運営に常について回るのが騒音・近隣トラブルです。

これらの問題はゲストの質の問題もあるため、全てをコントロールできるわけではありません。

起こってしまったものは誠実に対応する他ありませんが、全てをオーナー自身でおこなう必要もない点には注意しましょう。

全てを抱えることなく、代行業者にお任せするという方法もあるため、気になる方は以下を見てみてください。