一棟アパートを民泊に転用できる?賃貸との収益比較・必要な許可・運営方法を解説

一棟アパートの収益を改善する方法には、賃料の見直しやリフォームだけでなく、空室や建物全体を民泊へ転用する方法もあります。

民泊は賃貸より高い売上を得られる可能性がある一方で、すべての物件に向いているわけではなく、用途変更や消防設備などの初期投資も必要になります。

この記事では、賃貸と民泊の収益比較、民泊向きの物件条件、転用費用、必要な手続き、そして大家が知っておくべき運営方法と出口戦略について詳しく解説します。

この記事のポイント

  • 民泊は賃貸以外の収益改善策の一つ
  • 売上ではなく初期費用と経費を引いた実質利益で比較する
  • 一棟全体と一部屋だけでは手続きが異なる
  • 改修前に行政・消防・建築の確認が必要
  • 自主管理と運営代行では利益と負担が変わる
  • 不振時に賃貸へ戻せる設計も考える

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監修者
民泊管理バンク 代表 高橋拓真

累計380棟の民泊代行実績!ゲスト満足度96.3%

2018年に鎌倉で民泊運営を開始。その後、民泊運営代行も運営する傍ら、自社ブランドThe Natureを展開。

これまでの運営実績に基づきリアルな情報を発信している。

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一棟アパートを民泊に転用することはできる?

一棟アパートでも民泊運営は可能だが条件がある

戸建てだけでなく、アパートやマンションの住戸も、必要な条件を満たせば民泊として利用することが可能です。

ただし、所有権があるからといって自由に用途を変更できるわけではありません。

物件の所在地(用途地域)、建物の用途、自治体の条例などによって、営業できる日数や必要な設備が大きく異なります。

また、住宅宿泊事業(民泊新法)、旅館業、特区民泊のどの制度を利用するかによっても営業条件が変わるため、事前の調査が不可欠です。

一棟すべてを民泊にする方法とその特徴

アパートの全住戸を宿泊施設として運用する場合、運営ルールを統一しやすく、他の賃貸入居者への配慮が不要になるというメリットがあります。

一方で、共用部分の管理、避難経路の確保、大規模な自動火災報知設備の設置など、建物全体に対する厳しい消防・建築基準が求められやすく、初期費用が高額になる傾向があります。

また、既存の入居者に退去してもらうための交渉や立ち退き料が発生するケースもあります。

空室の一部だけを民泊にする方法とその特徴

現在入居者がいる部屋はそのまま賃貸として残し、空室になっている部屋だけを民泊へ転用する方法です。

既存の賃貸収入という安定したベースを残しながら、空室対策としてプラスアルファの利益を狙うことができます。

しかし、賃貸入居者と宿泊者が同じ建物を利用するため、深夜の騒音、共用部の使い方、ゴミ出しルール、防犯面での管理が非常に重要になります。

入居者からのクレームを防ぐための厳格なハウスルール設定が求められます。

運営方法 対象範囲 特徴 主な注意点
一棟すべて民泊 全住戸 運営を統一しやすい 改修費・消防対応が大規模
一部住戸を民泊 空室のみ 賃貸収入を残せる 既存入居者との共存・騒音
フロア単位 特定階 動線を分けやすい 用途区分・避難経路の確認
賃貸を継続 全住戸 収入が安定しやすい 空室リスク・賃料下落
マンスリー併用 一部・全体 中期需要を取り込める 契約形態と用途の確認

一棟アパートは賃貸と民泊のどちらが儲かる?

賃貸と民泊の年間収益(利益)の計算構造

賃貸経営は毎月の収入を予測しやすい

通常の賃貸経営は、一度入居者が決まれば毎月一定の家賃が入ってくるため、収支計画を立てやすいのが最大のメリットです。

一方で、退去時の原状回復費、次の入居者が決まるまでの空室期間、仲介手数料や広告料(AD)、そして築年数経過に伴う賃料下落を考慮する必要があります。

家賃相場という明確な上限があるため、工夫次第で売上を何倍にも引き上げることは困難です。

民泊は宿泊単価と稼働率で収入が変動する

民泊は、観光需要、曜日、季節、周辺のイベント、宿泊人数によって「1泊の単価」と「稼働率」が大きく変動します。

インバウンド需要を取り込み、繁忙期に高い単価で貸し出すことができれば、賃貸を遥かに凌ぐ売上を叩き出す可能性があります。

しかし、閑散期や競合の増加によって稼働率が低迷すれば、固定費だけがかさみ赤字に転落するリスクも孕んでいます。

売上ではなく経費を引いた利益で比較する

「民泊は賃貸の2倍の売上になる」という言葉だけで判断してはいけません。

民泊には、OTA(予約サイト)の手数料、毎回の清掃費、水道光熱費、消耗品費など、賃貸では発生しない多額の「変動費」がかかります。

さらに、消防設備や家具家電の初期投資も必要です。

表面上の売上ではなく、これらの経費と初期投資の回収期間を差し引いた「実質利回り(手残り)」で比較することが重要です。

比較項目 通常賃貸 民泊
主な収入 月額家賃 宿泊料金・清掃料金等
収入の安定性 比較的高い 季節や曜日で大きく変動
売上の上限 家賃相場に左右される 単価調整により上限を引き上げ可能
空室単位 月・年単位 日単位
清掃 退去時中心 予約ごと(チェックアウト毎)
管理負担 比較的小さい 大きくなりやすい(夜間対応等)
初期設備 基本的な住宅設備 家具家電・消防設備・宿泊設備
料金変更 入居中は困難 日ごとに柔軟に変更可能
運営委託 賃貸管理会社 民泊運営代行会社
法令確認 賃貸関係法令 民泊新法・旅館業法・消防法等

賃貸と民泊の収益を同じ条件で比較する方法

賃貸経営の年間収入と経費を計算する

まずは現在の賃貸経営のベースラインを明確にします。

【月額家賃 × 入居月数 × 稼働住戸数】で年間売上を算出します。

そこから、賃貸管理費(家賃の5%等)、入居者募集費(AD)、原状回復費、空室期間中の固定費、共用部管理費、修繕費、固定資産税、保険料などの経費を差し引いて、賃貸での年間利益を割り出します。

民泊経営の年間収入と経費を計算する

次に民泊の収益を試算します。

【平均宿泊単価 × 販売可能日数 × 稼働率 × 運営室数】で年間売上を算出します。

そこから、OTA手数料(約15%)、清掃費、リネン費、水道光熱費、消耗品費、運営代行費、緊急対応費、家具家電の交換積立金、事業用保険料などを差し引きます。

住宅宿泊事業の場合は販売可能日数が最大180日となる点に注意が必要です。

転用に必要な初期費用と回収期間を算出する

民泊へ転用するための初期費用(行政書士への申請費用、消防設備工事費、用途変更・設計費、内装工事費、家具家電購入費など)を整理します。

最後に、【実質利回り = 年間利益 ÷ (物件取得費 + 追加投資額) × 100】、および【追加投資回収期間 = 民泊転用費用 ÷ 転用後の年間利益増加額】を算出し、投資に見合うリターンが得られるかを客観的に判断します。

一棟アパートの収益シミュレーション

通常賃貸を継続するケースと一部民泊のケース

全室を通常賃貸として貸し出し、入居率90%と仮定した場合の安定した収益モデルがベースとなります。

一方で「一部民泊」のケースは、賃貸収入を維持しながら、空室の数部屋だけを民泊へ転用するモデルです。

初期投資を抑えつつ、賃貸の安定収入に民泊のプラスアルファの利益を上乗せできるため、大家にとって最もリスクが少ない現実的なアプローチと言えます。

一棟すべてを民泊へ転用するケース

全室を民泊へ転用するモデルでは、稼働率が高ければ莫大な売上が期待できますが、消防設備等の初期費用と、稼働率低下時の収入変動リスクも最大になります。

また、清掃スタッフの手配や予約管理の負担も跳ね上がるため、優秀な運営代行会社との連携が不可欠になります。

賃貸・民泊・マンスリーを併用するケース

住宅宿泊事業の「180日制限」がある場合、民泊として稼働できない残りの日数をマンスリーマンション(短期賃貸)や法人社宅として貸し出すハイブリッド運用モデルです。

家具家電をそのまま活かせるため、空室期間の無駄をなくし、年間を通じた収益の最大化を図ることができます。

項目 通常賃貸 一部民泊 一棟民泊 賃貸・マンスリー併用
運営戸数 仮定 仮定 仮定 仮定
年間売上 計算 計算 計算 計算
稼働率 仮定 仮定 仮定 仮定
変動費 計算 計算 計算 計算
固定費 計算 計算 計算 計算
初期投資 計算 計算 計算 計算
年間利益 計算 計算 計算 計算
実質利回り 計算 計算 計算 計算
回収期間 計算 計算 計算

民泊への転用が向いている一棟アパートの条件

観光・出張・イベントによる宿泊需要がある

駅からの距離だけでなく、「有名観光地に近い」「大型イベント会場やドームに近い」「主要空港へのアクセスが良い」など、そこに宿泊する明確な理由がある立地です。

また、「駅から遠いが、車で来るファミリー層には人気の観光地に近い」といった、通常賃貸では評価されにくいが旅行者には価値がある立地も狙い目です。

複数人で宿泊しやすく管理がしやすい間取り

ワンルームよりも、ファミリーやグループが一緒に泊まれる広めの間取り(2LDKや3LDKなど)の方が、1室あたりの宿泊単価を高めやすく、ホテルとの差別化が図れます。

また、入口、階段、廊下、ゴミ置き場などの共用部が整理されており、既存の賃貸入居者と宿泊者の動線をある程度分けやすい物件は、トラブルを防ぎやすいため民泊に向いています。

消防設備や改修費が過大にならない

民泊へ転用するために、数千万円規模の用途変更工事や大規模な自動火災報知設備の工事が必要になる場合、売上増加分で投資を回収できず、転用に向かないことがあります。

また、万が一民泊から撤退する際にも、軽微な原状回復で通常の賃貸へ戻せる(出口戦略が描ける)間取りや設備を維持できる物件が理想的です。

民泊転用が向いていない可能性があるアパート

宿泊需要が少なく法令制限が厳しい

駅から遠く、周辺に観光地やビジネス需要もない立地では、民泊に転用しても予約が入らず、改修費だけが赤字として残ってしまいます。

また、「住居専用地域では週末しか営業できない」など、自治体の条例(上乗せ規制)が厳しく、十分な稼働日数を確保できない物件も転用には不向きです。

工事費が高額になり構造上の問題がある

用途変更に伴う建築基準法適合のための工事や、消防設備に多額の費用がかかる物件は初期投資が回収できません。

また、壁が薄く隣の部屋の音が響きやすい木造アパートや、エントランスで生活者と旅行者が頻繁にすれ違う構造の物件は、騒音やゴミ問題などのクレームが多発する原因になります。

ローンや契約条件に問題があり賃貸で満室である

金融機関から「居住用」として融資を受けているため事業転用が認められない、または火災保険の用途変更ができない物件です。

さらに言えば、現在、通常賃貸で十分に安定した収益が得られ満室稼働している場合、わざわざ多額の費用をかけて民泊へ転用し、収入変動やトラブルのリスクを抱え込む必要はありません。

一棟すべてと一部住戸だけの民泊転用はどちらがよい?

アパートを民泊へ転用する3つのパターン

一棟すべてなら運営ルールを統一しやすい

全室を民泊にする場合、建物内にいるのが全員「宿泊者」になるため、騒音やゴミ出しのルールを統一しやすく、既存の賃貸入居者への配慮が不要になります。

しかし、初期投資が非常に大きくなり、観光需要の冷え込みなどの外部要因による収入減少リスクを建物全体で被ることになります。

一部住戸なら賃貸収入を残しやすい

空室だけを民泊にする場合、既存の賃貸収入という「安定したベース」を残しつつ、民泊でプラスアルファの利益を狙うことができます。

最初から全室を転用して多額の投資をするのではなく、まずは空室になっている1〜2室だけを民泊へ転用し、実際の宿泊需要や運営の負担を検証してから拡大していくのが安全なアプローチです。

ただし、旅行者の深夜の出入りや話し声が、賃貸入居者のストレスにならないよう、厳格なハウスルールと防音対策が求められます。

フロア単位で用途を分ける方法もある

「1階は店舗と民泊、2階以上は賃貸」のようにフロアで用途を分けることで、生活者と旅行者の動線が交わるのを防ぐことができます。

建物の構造や階段の位置によっては、一部屋だけの転用よりもトラブルを劇的に減らすことが可能です。

比較項目 一棟すべて 一部住戸 フロア単位
初期投資 大きい 抑えやすい 中間
収益拡大余地 大きい 限定的 中間
運営の統一 しやすい 難しい場合あり 比較的しやすい
入居者との共存 不要 配慮が必要 条件による
需要の検証 投資前に綿密な調査が必要 段階的に検証可能 段階的に検証可能
賃貸収入 なくなる 残せる 一部残せる

一棟アパートを民泊へ転用する際の確認事項

法令・行政手続きの確認

物件の所在地がどの用途地域に該当するか、自治体独自の民泊条例で営業が制限されていないかを確認します。

その上で、年間180日以内でよいのか、365日フルで営業したいのかに合わせて、住宅宿泊事業、旅館業、特区民泊から最適な制度を選択します。

また、建物の用途を「住宅」から「宿泊施設」へ変更する手続き(用途変更)が必要かどうかも建築士へ確認します。

消防設備と契約関係の確認

自動火災報知設備や誘導灯の設置が必要かを図面をもとに管轄の消防署へ事前相談します。

契約面では、アパートローンを返済中の場合は用途を「事業用」に変更してよいか金融機関へ承諾を得ます。

また、居住用の火災保険のままでは民泊中の事故が補償されないため、事業用火災保険や施設賠償責任保険への切り替えを行います。

管理体制と近隣への配慮

一部の部屋を民泊にする場合、既存の入居者に対して事前に十分な説明を行い、トラブル時の対応窓口を周知しておきます。

近隣住民への事前周知と、深夜の騒音などに24時間駆けつけられる緊急対応体制の構築も必須です。

さらに、民泊から出るゴミは「事業系ごみ」となるため、家庭ゴミとは別に処理するルートを確保する必要があります。

大家が民泊を自主運営する場合に必要な業務

予約管理と価格調整

AirbnbやBooking.comなどの予約サイトへ物件の魅力が伝わる写真と文章を掲載し、ダブルブッキングが起きないよう在庫を管理します。

さらに、周辺の相場や季節変動を分析し、平日・休日・繁忙期ごとの宿泊単価を設定して、ダイナミックプライシング(価格変動)を日々行う必要があります。

ゲスト対応と本人確認

予約前後の問い合わせ、道案内、チェックイン方法の案内などを、英語などの多言語で迅速に返信します。

法律に基づき、宿泊者全員の氏名・住所・職業を名簿に記録し、外国人ゲストの場合はパスポートのコピーを取得して本人確認を行うシステム(タブレット端末での無人チェックイン等)の導入も必要です。

清掃手配とトラブル対応

ゲストがチェックアウトするたびに部屋の清掃とシーツ交換を手配し、消耗品を補充します。

「夜中に大声で騒いでいる」といった近隣からのクレームへの即座の注意指導や、「お湯が出ない」「鍵が開かない」といった設備トラブルに24時間体制で対応する覚悟が求められます。

一棟アパートで複数室を運営する場合、これらの業務量は賃貸管理の比ではありません。

自主管理と民泊運営代行はどちらがよい?

自主管理は外注費を抑えやすいが負担が甚大

運営代行費用がかからないため利益率は高くなりますが、オーナー自身の膨大な時間と労力、そして24時間の緊急対応体制が必要になります。

英語でのクレーム対応や、急な清掃スタッフの欠勤対応など、不測の事態にもすべて一人で対処しなければなりません。

運営代行は業務を仕組み化し売上を最大化できる

予約管理、価格調整、多言語でのゲスト対応、清掃手配などをプロに委託することで、オーナーは本来の不動産経営に専念できます。

代行費(売上の20%前後など)を支払うと経費は増えますが、プロのレベニューマネジメント(価格調整)によって稼働率や単価が改善し、結果的に自主管理よりも手元に残る利益が増えるケースも少なくありません。

必要な業務だけを委託する部分代行

「清掃だけ外注する」「メッセージ対応だけ任せる」「価格調整だけ依頼する」といった、必要な業務だけを委託する「部分代行」という選択肢もあります。

自身の得意分野とリソースに合わせて、柔軟に委託範囲を決定することが成功の鍵です。

比較項目 自主管理 部分代行 完全代行
外注費 抑えやすい 委託業務ごとに発生 発生する(売上の〇%等)
オーナー負担 非常に大きい 中程度 抑えやすい
価格調整 自分で実施 委託可能 委託可能
夜間対応 自分で対応 契約による 契約による
複数室運営 強固な体制が必要 対応しやすい 対応しやすい
ノウハウ 自分で取得・試行錯誤 一部活用できる プロの知見を活用しやすい

一棟アパートを民泊へ転用する手順

事前調査と収支の試算

現在の家賃収入、空室率、管理費などを洗い出し、賃貸経営を続けた場合の収支(ベースライン)を明確にします。

次に、OTA等を利用して周辺の民泊物件の稼働状況や宿泊単価をリサーチし、想定売上から経費を差し引いた「民泊にした場合の月間利益」を試算します。

法令確認と事業規模の決定

自治体、消防署、建築士へ事前相談を行い、民泊営業の可否と、法令をクリアするために必要な工事内容を確定させます。

予算とリスク許容度に合わせて、全室を転用するか、まずは空室の1〜2部屋だけを転用するかを決定し、内装工事や消防設備工事の見積もりを取って初期費用の回収期間を確認します。

準備と段階的な検証

自身の業務負担を考慮し、自主管理か運営代行への委託かを決定します。

行政への申請手続き、改修工事、家具の搬入などを進め、一部転用の場合はまずは少ない部屋数で運営をスタートします。

実際の稼働率や清掃オペレーションの課題を洗い出し、実績をもとに他の空室も順次転用するかどうかを判断します。

民泊運営が不振だった場合の出口戦略

民泊運営が不振だった場合の「出口戦略」

賃貸やマンスリーへの切り替え

民泊用の家具を撤去し、再び一般的な居住用賃貸物件として入居者を募集する、最もオーソドックスな出口戦略です。

または、家具家電をそのまま活かし、1ヶ月以上の出張や仮住まい向けに「マンスリーマンション(短期賃貸)」や、法人向けの社宅として一括で貸し出す方法もあります。

一部継続や物件ごとの売却

一棟全体での民泊が不振だった場合、稼働が良い人気の部屋だけを民泊として残し、残りを賃貸へ戻してリスクを分散させます。

あるいは、旅館業許可などの「許認可付きの宿泊施設」として、民泊投資家や法人向けに物件ごと(事業ごと)売却して資金を回収するという手段もあります。

民泊専用の特殊な間取りに改修しすぎると賃貸へ戻す費用が高額になるため、転用時から出口を意識した設計が重要です。

一棟アパートの民泊転用に関するよくある質問

一棟アパートの一室だけでも民泊にできますか?

物件の条件や利用する制度(民泊新法など)によっては可能です。

ただし、既存の賃貸入居者や共用部への影響、マンション管理規約などを事前に確認する必要があります。

賃貸入居者がいる状態でも民泊を始められますか?

可能な場合はありますが、騒音、防犯、ゴミの捨て方、動線の分離など、入居者とのトラブルを防ぐためのルール作りと契約上の整理が不可欠です。

入居者からのクレームが多発すると、賃貸経営そのものに悪影響を及ぼします。

賃貸と民泊ではどちらの利回りが高いですか?

物件ごとに宿泊単価、稼働率、初期費用、運営経費が全く異なるため、一概には言えません。

表面上の売上(表面利回り)ではなく、清掃費や代行費などの経費と初期投資を差し引いた「実質利回り」で比較して判断してください。

古いアパートでも民泊へ転用できますか?

可能ですが、建物の劣化状態によっては、耐震補強、消防設備の設置、避難経路の確保、水回りの全面改修などが必要になり、費用が想定以上に膨らむ場合があります。

事前の見積もりと収支シミュレーションが重要です。

大家自身で民泊を運営できますか?

可能ですが、予約管理、毎回の清掃手配、外国人ゲストの本人確認、苦情対応、24時間の緊急対応など、賃貸管理とは全く異なる体制と労力が必要になります。

副業で行うには限界があるため、運営代行の活用を推奨します。

一棟すべてを民泊にした方が儲かりますか?

売上の規模は拡大する可能性がありますが、その分、用途変更や消防設備にかかる改修費、そして需要変動によるリスクも大きくなります。

まずは空室の一部転用から始めるのも安全な選択肢です。

民泊がうまくいかなければ賃貸に戻せますか?

間取りや設備を大きく変えすぎなければ戻しやすいですが、事前に用途変更の手続きや工事内容について、建築士等の専門家と出口戦略を相談しておくことが重要です。

まとめ|一棟アパートの収益改善策として民泊を検討する

一棟アパートの収益を改善する方法には、家賃の値下げや通常のリフォームだけでなく、空室や建物全体を「民泊」へ転用するという選択肢もあります。

ただし、民泊が必ず賃貸より儲かるわけではありません。

宿泊需要の有無、転用にかかる改修費用、運営経費、そして行政や消防の法令条件を含めて、冷静に比較検討する必要があります。

現在の賃貸収支と民泊転用後の収支を比較し、より良い利回りを目指せるかどうか、まずはシミュレーションを行うことから始めましょう。

物件条件に応じた民泊への転用可能性、詳細な収益シミュレーション、そして最適な運営体制の構築についてご相談がある方は、ぜひ民泊管理バンクへお問い合わせください。

民泊の収入相場はいくら?売上・利益の計算方法と儲かる物件の条件

民泊の初期費用はいくら?開業資金の内訳

民泊開業に必要なリフォーム費用と注意点

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