民泊を始めるには、まずは物件を選ぶことが必要です。購入すると決めても、何を基準に選んだらよいのか分からずに迷っている人も多いでしょう。
どのような物件なら民泊が運営できるのか、稼げる場所はどこなのかなど事前に押さえておくことが重要です。ポイントを知っておけば、収益が出にくい場所の物件購入は避けられます。
本記事では、民泊物件の探し方や購入のポイントを解説していきます。実際に民泊を運営しているホストが、体験をもとに解説していきますので、参考になれば幸いです。
池袋で民泊運営しながら民泊代行サービスも展開
2018年に鎌倉で民泊運営を開始。その後、民泊運営代行も運営する傍ら、池袋(東京都)でも自社の民泊を運用中。
客単価と稼働率を上げることが得意。民泊運営のリアルな情報を発信している。
民泊の物件購入の探し方
民泊物件を購入する場合、まずはインターネットで不動産や民泊専門のポータルサイトで探す人が多いでしょう。しかし、サイトによっては高額な場合もあるため、下記の3種類の方法で色々と検討することをおすすめします。
- M&Aで購入する
- 中古物件を購入する
- 土地を探し新築を建てる
1.M&Aで購入する
TRANBI(トランビ)は、M&Aや事業継承プラットフォームで、すでに民泊の運営を開始している事業の売買ができるプラットフォームです。売上を生んでいる物件が売りに出されており、購入後すぐに事業を開始できるのが大きなメリットです。
価格帯は数十万から数億と非常に幅広く、自分の条件に合うものがあれば検討する価値があるでしょう。ただし、事業が売りに出されているには何らかの理由があるため、購入を検討する際にはその理由をしっかりと確認することが必要になります。
2.中古物件を購入する
民泊物件の購入を考えた際に一番に思いつくのが、中古物件の購入ではないでしょうか。なるべく安く購入することで、内装や家具への投資がしやすくなります。SUUMOやLIFULL HOME’Sなどの不動産ポータルサイトは、一般の物件も掲載されており、物件数が多くなっています。
掲載されてからなかなか買い手がついていない物件は比較的安くなっていることが多いため、チェックしてみるとよいでしょう。
3.土地を探し新築を建てる
比較的資金に余裕があれば、土地を探して新築を建てるのもよいでしょう。新築であれば、設計から内装まで、民泊事業に最適な建物にすることが可能です。また、古い建物に比べて当面のメンテナンスコストが少なくて済みます。
ただし、新築の建設には時間とコストがかかります。周囲の環境や自分の資金計画、長期的な事業戦略を総合的に考えたうえでの判断が重要です。
また、民泊運営代行会社に相談する方法もあります。さまざまな物件の運営代行をしており、一般的には知られていない情報を多く知っています。
「民泊許可物件の探し方とは?稼げる物件の特徴や選び方を解説」でも詳しく解説しているため、こちらも参考にしてみてください。
民泊の物件購入3つのポイント
民泊の物件購入の探し方は説明してきましたが、実際にどのような物件を購入すればよいのかわからないことが多いでしょう。
民泊の物件を購入する際には一軒家か集合住宅のどちらかで迷うと思いますが、資金があれば一軒家がおすすめです。部屋数が多いため、収容人数を多くでき、結果的に高単価で予約を獲得できます。
集合住宅の場合は、一棟の中の一部屋を民泊にしようとするとマンションの管理組合に反対される場合が多いため、一棟ごと購入する必要があります。その場合、1LDK以上の大きい部屋のマンションがおすすめです。
1Rなどの部屋の場合、ビジネスホテルとの差別化がしにくく、立地条件によっては負けてしまう可能性があるのです。
ここからは、民泊の物件を購入する際のポイントを以下の流れで説明していきます。
- 物件の場所を選定する
- 建物や立地を確認する
- 物件の設備を確認する
1.物件の場所を選定する
まずは、どの場所の物件を購入するのか決めましょう。おすすめは、別荘地の物件です。たとえばこのような地域は物件価格次第ですが非常におすすめです。
- 軽井沢
- 箱根
- 那須高原
- 西伊豆
- 白馬
- 有馬温泉
- 沖縄の離島
海や山、スキー場の近くなど景色がきれいだと感じてもらえると、Instagramで映え写真の投稿ができるため、人気が出やすいです。
この辺りは場所によりますが、比較的土地が安い傾向にあり、物件を購入しても3〜4年で十分回収可能です。また、購入金額が安いため、リフォームに資金が回せて高単価の宿にしやすくなります。
2.建物や立地条件を確認する
購入する建物や立地の確認は、細かく調べて自分の目で見ることが大切です。
旅館業の申請を考えている物件の場合、建築基準法に違反していないか確認が必要です。違法建築と判明した場合、旅館業の許可は下りません。
また、民泊運営には基準にあった消防設備の設置が必要ですが、すでに付いている場合はその分の費用がかからなくなります。
ここからはより詳しく、購入前に確認するべき3つのポイントを解説していきます。
- 擁壁のチェック
- 建物の構造部分のチェック
- ハザードマップのチェック
擁壁のチェック
擁壁とは、がけや盛り土の側面が崩れ落ちるのを防ぐための壁です。坂の多い地域や高低差のある土地に家を建てる場合に設置されます。日当たりを良くしたり土砂災害の被害をなるべく防いだりなどのメリットがありますが、当然デメリットもあるのが実情です。
地震などの災害の影響や経年劣化で倒壊する恐れがあり、すでにヒビやカビが発生している場合は要注意です。しっかりと擁壁が機能していないと建物が傾いたり擁壁の崩落で大きな損害が生じる可能性があります。
そのため、建築基準法に適合しているか、コンクリートやモルタルで作られているかなど確認しておく必要があります。
建物の構造部分のチェック
物件を検討する際に内装や外観は気になりますが、一番重要なのは構造部分です。リフォームをすれば見た目はきれいになりますが、構造部分の改修は多額の費用がかかります。
必ず見ておく必要があるのは以下のポイントです。
- 基礎のひび割れ
- 外壁やコーキングの劣化状態
- 大黒柱の状態
- 屋根の穴
- 家の傾き
- シロアリの形跡 など
このような物件は安く売り出されている場合があるため、注意して見ることが必要です。
ハザードマップのチェック
近年、集中豪雨や大型の台風などで、浸水や土砂災害が増えています。そのような事態に襲われる可能性がある地域の物件を購入することはリスクがあると言えます。危険なエリアにはなるべく手を出さないようにするのが無難です。
ハザードマップポータルサイトなら、住所を入力するだけで災害リスクを調べられるため、必ずチェックしておきましょう。
可能であれば、水害と土砂災害のリスクがほぼないところ、少なくとも赤色の部分は避けることをおすすめします。
3.物件の設備を確認する
物件の購入を検討する際に、設備の確認は必要です。設備や内装が古いようなら、きれいな古民家としてリフォームすると見栄えがよくなります。特に外国人観光客には古民家は人気があり、他の民泊と差別化ができて予約が入りやすくなります。
またポイントとしては、都内で古い家を購入するよりも、別荘地で低価格で購入しリフォームをして高単価で運営した方が、初期費用の回収が早くなります。
資金に余裕があれば、サウナやプール、ジャグジーなどを導入するとよいでしょう。設備を充実させることにより非日常的な体験が味わえるため、よい口コミをもらいやすくなります。
一方で、水回りが古く使いにくい場合はリフォームは必須と言えます。新しくて機能的なら印象がよくなり、古くて機能が悪ければレビューが悪くなる可能性があります。風呂はユニットバス、洋式の水洗トイレは必須です。キッチンも見栄えをよくしておきましょう。
民泊の物件購入時の注意点
民泊の物件を購入する際のポイントについて説明してきましたが、その他にもいくつかの注意点があります。
ここからはより詳しく、物件を購入する際に注意するべき3つのポイントを説明していきます。
- 用途地域を確認する
- 近隣の環境を確認する
- 民泊運営が可能な物件なのか確認する
1.用途地域を確認する
物件を探す際に、用途地域の確認が必要です。旅館業と民泊新法それぞれ、運営できる用途地域が異なります。用途地域は全部で13区分あり、その土地をどのような目的で利用するのかエリアごとに分類されています。
例えば、住居のために使うのか事業のために使うのか?などが分類されているのですが、旅館業と民泊新法それぞれの運営が許可されている地域は下記の通りです。
用途地域 | 旅館業法 | 民泊新法 |
---|---|---|
田園住居地域 | ✖ | 〇 |
第一種低層住居専用地域 | ✖ | 〇 |
第二種低層住居専用地域 | ✖ | 〇 |
第一種中高層住居専用地域 | ✖ | 〇 |
第二種中高層住居専用地域 | ✖ | 〇 |
第一種住居地域 | 〇 | 〇 |
第二種住居地域 | 〇 | 〇 |
準住居地域 | 〇 | 〇 |
近隣商業地域 | 〇 | 〇 |
商業地域 | 〇 | 〇 |
準工業地域 | 〇 | 〇 |
工業地域 | ✖ | 〇 |
工業専用地域 | ✖ | ✖ |
表を見るとわかるように、特に旅館業法で民泊を運営しようとすると地域がかなり限られてくるため、用途地域の確認が必須になります。購入予定の物件がどの用途地域に当たるのか、購入先の仲介業者やその土地を管轄する保健所に問い合わせれば教えてもらえます。
2.近隣の環境を確認する
物件購入前には、大通りから民泊物件までの経路について調査することは必須です。民泊は多くのゲストが利用するため、経路が狭い私道や住宅密集地を通る場合、騒音や治安への影響を懸念して近隣住民から反対されるリスクがあります。
特に別荘地の場合は、地域の秩序や治安の維持が重視されているため、ゲストが騒いだりキャリーバッグを引きずる音を立てたり、ゴミをポイ捨てするなどの行為が問題視されやすいためです。
そのため、物件購入前に住民説明会や挨拶周りをして、民泊運営に対して理解してもらったり、反対されたりしないかの確認をすることが重要です。
民泊の近隣住民への説明の仕方は、以下の記事をぜひ参考にしてください。
>>民泊の近隣住民への説明のやり方【テンプレ付き】を見てみる
3.民泊運営が可能な物件なのか確認する
物件を購入する前に、民泊運営が可能かどうかを管理組合と保健所に確認しましょう。先ほど、民泊運営には別荘地がおすすめだとお伝えしました。多くの別荘地には管理組合があり、道路や街灯の維持管理、環境の保全といった役割を担っています。別荘を民泊にする場合には管理組合が許可していない場合もあるため、事前にしっかりとした確認が必要です。
また、地域によっては民泊運営に制限を設けている場合もあります。たとえば、箱根町の一部地域は一年のうち特定の半年間は営業できないなど条例で規制されているため、こちらの確認も必須です。
このような確認は基本的に別荘地の管理組合と保健所に確認することでクリアすることが多いため、購入前に必ず確認しておきましょう。
民泊運営コストは物件購入してからの部分に着目しよう
ここまで物件の探し方や購入する際の3つのポイント、注意点を紹介してきました。しかし、自分で条件のよい物件を探そうとしても、どれを選んだらよいのかわからず不安な方が多いでしょう。物件を購入して採算が合わなくなり、民泊運営から撤退することは避けたいものです。
物件購入は、値段だけ見て決めてはいけません。相場より安いのには理由があるはずなので、グーグルマップの口コミや大島てるで確認すると、地元の人にしか分からない情報が出てくる可能性があります。
都内で古い家を購入するより、別荘地で物件を購入してリフォームをして高単価で運営する方が、民泊で稼ぐための近道です。適切な物件を安く購入して、高単価で最大日数で運営、その後、事業譲渡する方が利回りがよくなります。
物件購入後、いかに適切な民泊運営ができるかが重要なのです。
物件購入の初期費用は避けられませんが、管理コストを下げる手段はあります。
たとえば弊社なら、必要な業務だけを委託するオーダーメイド型の民泊運用代行を全国展開しています。
成果報酬型で月々10〜20万円請求される民泊代行が多い中、月額定額制で19,800円〜と明瞭な価格設定になっているので、気になる方はご相談ください。
「民泊許可物件の探し方とは?稼げる物件の特徴や選び方を解説」でも民泊許可物件の探し方について詳しく説明しているため、ぜひ参考にしてください。
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