民泊で使えるローン・融資の種類や注意点を徹底解説!

「民泊を始めたいけれど、資金が足りなくてどうすべきか悩んでいる」
「民泊投資では、どんなローンが組めるのか知りたい」
「民泊ローンで注意しておきたいポイントはあるのかな?」

このように、民泊投資を始めたくても自己資金が足りない方や、民泊のローンや融資について深く知りたい方は多いことでしょう。
本記事では、民泊で利用できるローンの種類や、融資を組むときの注意点などを詳しく解説します。

監修者
民泊管理バンク 代表 高橋拓真

池袋で民泊運営しながら民泊代行サービスも展開

2018年に鎌倉で民泊運営を開始。その後、民泊運営代行も運営する傍ら、池袋(東京都)でも自社の民泊を運用中。

客単価と稼働率を上げることが得意。民泊運営のリアルな情報を発信している。

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民泊でローンや融資は組めるのか?

まず、民泊事業においてローンや融資を組めるかという点について、結論からお伝えすると組めます。ただし、物件を所有する形での運営であれば比較的容易にローンが通りますが、賃貸の場合は非常に難しいとお考えいただく方が良いでしょう。

とはいえ、賃貸の場合でもローンや融資を組めないわけではありません。銀行から資金調達した後に使用する用途としては下記のようなものが挙げられます。

  • 民泊投資物件の購入、または賃貸物件の契約資金
  • 家具、家電の設置費用
  • アメニティの確保

使い道が明確であり、民泊としてきちんと売上が上がることが分かれば、融資やローンは比較的通りやすいです。とはいえ、売上の目処が立たない場合は当然ながら、融資やローンは組めませんので、きちんとした売上試算表が必要です。

民泊に使えるローン・融資の種類とは?

民泊運営において使える融資やローンは下記の通りです。

  1. 住宅ローン
  2. 事業用融資・ローン(不動産投資ローン)
  3. 民泊専用ローン

1.住宅ローン

まず、住宅ローンとは、家を購入するときに一般的に使用されているローンのことです。金利が0.5%〜2%と低く抑えられるのが特徴で、要件を満たすと住宅ローン控除が受けられます。

金利が安いので、民泊においても住宅ローンを選びたくなる方が多いのは当然ですが、民泊投資で住宅ローンを借りられるのは、以下の要件に当てはまった場合のみです。

  • 家主居住型
  • 自分自身で50%以上の部分に住む場合

家主居住型とは、民泊物件に自分が一緒に住んでゲストを迎える、いわゆるホームステイ型のことを指します。これらは50%以上は自分の家として使用していると認められれば、住宅ローンとして組めます。

とはいえ、通常の民泊の場合はホテルのように、一部屋全てを民泊として貸し出すことが多いため、家主不在型や一般的な民泊を希望される方には使えない方法です。

2.事業用融資・ローン(不動産投資ローン)

2つ目の方法は弊社でも新規の民泊を立ち上げる際には使用している、事業用融資・ローンになります。特に不動産を購入して民泊運用する場合は、民泊の売上予測が非常に重要視されます。

また、コロナのように民泊ができなくなった場合でも、不動産を売却すれば融資分を回収できるという見込みがあるため、金融機関も賃貸での民泊に比べて比較的簡単に審査を通してもらえる傾向にあります。

以前一度だけ、弊社で賃貸での民泊で融資を通そうとしましたが、非常にハードルが高かったため、不動産購入を前提としたローンや融資の申請をおすすめします。

3.民泊専用ローン

最後に、民泊専用に作られたローンについて解説します。
事業ローンの中でも特に民泊に特化したローンで、2種類に分けられます。

  1. 三井住友トラスト・ローン&ファイナンス民泊事業ローン
  2. 日本政策金融公庫

1.三井住友トラスト・ローン&ファイナンス民泊事業ローン

まず、三井住友トラスト・ローン&ファイナンスの民泊事業ローンは民泊に特化したローンのため審査が通りやすく融資額も300万〜10億円と幅広いのが特徴です。

金利は、5000万までの融資の場合は年利3.9%と一般的な事業ローンとあまり変わりませんが、5000万以上は年利2.9%と低くなります。
また、返済期間は35年以内と長期で借り入れでき、返済回数も13回〜420回まで選べるため、月々の返済額を抑えられます。

どの民泊運営方法でも使用できるので、家主不在型で民泊を始める方は、初めに検討するとよいローンでしょう。

参照:三井住友トラスト・ローン&ファイナンス民泊事業ローン

2.日本政策金融公庫

続いての民泊専用ローンは、日本政策金融公庫です。こちらは「旅館業法」のみ選択可能となり、民泊新法や特区民泊では使用できないため注意が必要です。

※旅館業法、民泊新法、特区民泊についての区別があいまいな方は「民泊の始め方を徹底解説!賃貸や所有物件を活かす方法とは?」の記事をご覧ください。

その点を注意していただければ、ローンの審査に提出する書類は多いものの、融資のハードルは低く金利も高くないのでおすすめです。弊社も日本政策金融公庫を利用していますが、想像以上に簡易的な資料のみで審査が通ってしまうので、「あれ、こんなので良いの?」という感覚です。

日本政策金融公庫には主に3種類のローンが用意されており、融資限度額がそれぞれ異なります。特に、新しく事業を始める方や、その中でも女性や若者、シニアの方に向けたローンが用意されていて特別利率が適用される場合があるので、下記を参考にしてください。

旅館業で民泊を始める場合で、特に1軒目の場合は日本政策金融公庫を最もおすすめしています。

民泊物件での融資・ローンを組むときの注意点

ここまで、民泊で組めるローンの種類について詳しく解説しました。
続いて、民泊事業で失敗しないために押さえておきたいローンを組むときの注意点について2つお伝えします。

  1. もし住宅ローンで民泊がバレたらどうなる?
  2. セカンドハウスのローンが残っている場合

1.住宅ローンで民泊を運営する場合

住宅ローンを組んで民泊事業をしていることが銀行にバレた場合は詐欺罪となっていまい、罪に問われたり、銀行から一括返済を求められたりします。
また、銀行に一括返済できなかった場合は自己破産するしか選択肢がありません。

先ほどお伝えしたように民泊で住宅ローンが使えるのは以下の2点の場合のみです。

  • 家主居住型
  • 自己居住床面積が50%以上ある場合

上記の場合以外は事業ローンを組まないと規約違反になります。
一部、営業目的の悪い不動産業者が不適切な住宅ローンを勧めることがあると聞きますが、毅然とした態度で断り、事業ローンを組むようにしてください。

2.セカンドハウスのローンが残っている場合

また一部の方でよくあるご相談として、セカンドハウスにローンが残っている場合の扱いですが、民泊や賃貸に貸し出すのは違法になってしまうため、事業ローンへの借り換えが必要です。

例えば、皆さんがセカンドハウスを民泊として貸し出したいと考えるときは、以下のような場合があげられます。

  • ローンは残っているが、ずっと使っていない別荘があるので民泊として貸し出して利益を得たい
  • 転勤などの移動により今まで住んでいた家が空いてしまうため、民泊として貸し出してローン返済に充てたい

このように、空いている物件を有効に使いたい気持ちはよくわかりますが、別荘ローンや住宅ローンの返済が残っている場合は、民泊や賃貸として貸し出すことは禁止されています。

これらのローンを民泊事業で返済することを考えるのはやめましょう。

どうしても別荘ローンや住宅ローンが残った状態で民泊を始める状況下におかれてしまったら、金融機関に相談し事業ローンに切り替えることが必要です。

民泊でローン・融資を組むときのポイント

本記事では、民泊を始める際に利用できるローンの種類や注意点など解説してきました。民泊物件を決めるときに、どのようなローンが自分に適しているのかがある程度予測できるようになったことでしょう。

とはいえ、無事にローンの審査が下りて軍資金ができても、民泊事業を成功させないと、利益を得るどころかローンの返済ができずに大赤字になる恐れがあります。

それを防ぐためには、ローンの返済計画や収支シミュレーションすることが重要なのですが、初めて民泊経営する方にとって現実的な収支計画書の作成や、利益の残る民泊運営は思いの外、至難の業です。

弊社のお客さまの中でも、融資を通すための事業計画書の数字を一緒に考えてほしいという方は後を立ちません。そのため、具体的な数値や運営方法などについて、実体験をもとに「民泊の始め方」についてまとめたので、こちらの記事も参考にしてみてください。

参考:民泊の始め方を徹底解説!賃貸や所有物件を活かす方法とは?