民泊の料金設定の最適解!繁忙期・閑散期で利益を最大化する考え方を現役運営者が解説

民泊やホテルには、宿泊料金に「定価」という概念がありません。航空券やホテルと同じく、需要と供給のバランスによって料金は常に変動します。

実際、新宿区にある1Rの物件でも、1泊1万円のときもあれば、4万円を超えるときもあります。同じ部屋でありながら、時期によって4倍以上の差が生まれるのです。

この値段の波をうまく乗りこなし、利益を最大化していく——これが民泊の「料金調整」であり、収益を左右する最も重要なビジネスの肝になります。

この記事では、累計360軒以上の民泊・ホテルを運営代行してきた現役運営者の視点から、料金調整の基本的な考え方と、繁忙期・閑散期それぞれの具体的な戦略を解説します。

監修者
民泊管理バンク 代表 高橋拓真

累計380棟の民泊代行実績!ゲスト満足度96.3%

2018年に鎌倉で民泊運営を開始。その後、民泊運営代行も運営する傍ら、自社ブランドThe Natureを展開。

これまでの運営実績に基づきリアルな情報を発信している。

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そもそも民泊の料金設定とは何か

料金調整とは、需要に応じて宿泊料金を日々変動させ、年間を通じた収支を最大化していく運営手法のことです。ホテル業界では「ダイナミックプライシング(変動料金制)」と呼ばれます。

最初に決めた値段をそのまま放置していると、繁忙期には「もっと高く売れたはずの利益」を取りこぼし、閑散期には「予約が入らず空室のまま」という機会損失が発生します。

料金調整の基本的な考え方はシンプルです。

  • 繁忙期:とにかく値段を上げて利益を積み上げる。上げすぎて売れないようなら下げる
  • 閑散期:早い時期からとにかく値段を下げて予約を確保する。利益幅は薄くても赤字を避ける

そして、閑散期で土台を固めつつ、繁忙期にしっかり利益を取り、年間収支でトータルの黒字・利益幅の最大化を目指す。これが料金調整の極意です。

ポイントは、調整を「直前」ではなく「半年〜1年前」から始めることです。早ければ早いほど打てる手が増え、リスクを抑えながら収益を最大化できます。

閑散期の民泊の料金設定|赤字を出さないことが最優先

閑散期は、利益を狙う時期ではありません。赤字にならないことを最優先に考えます。

たとえば東京都内の場合、6〜9月が閑散期にあたります。この時期の対策は、なんと前年の11月ごろから始めます。半年以上前から仕込んでおくイメージです。

具体的には、普段1泊2万円で出している宿なら、閑散期の日程を早めに1.5万円程度まで下げておきます。早い段階から相場より少し安く出しておくことで、旅行の計画を早くから立てる層の予約を先に押さえてしまうのです。

ただし、下げすぎは禁物です。安くしすぎると一気に予約が埋まってしまい、「もう少し高く売れたはず」の日程まで安値で確定してしまいます。そこで価格を細かく調整しながら、3ヶ月前の時点で稼働率60〜70%を目安に予約を積み上げていきます。

閑散期にやってはいけないのは、「売れないから」と価格を放置することです。空室のまま当日を迎えるのが、最も大きな損失だからです。利益は薄くても、赤字を避けて稼働を確保する——これが閑散期の鉄則です。

繁忙期の民泊の料金設定|2つの戦略で単価を最大化する

繁忙期は、利益をしっかり取りにいく時期です。やり方は大きく2つあります。

戦略1:早めに価格を上げておく(基本)

まずは王道のやり方から。需要が集中する時期は、事前に思いきって値段を上げておきます

たとえば3月末〜4月第1週は桜のシーズンで、東京都内は繁忙期のなかの繁忙期。すべての宿が埋まるほどの人気期間です。

この時期は1年前から予約が入り始めるので、普段1泊2万円が定価の宿なら、あらかじめ4〜6万円程度まで上げておきます。「高すぎて売れないのでは?」と不安になるかもしれませんが、市場全体の単価が上がっているため、それでも問題なく予約は入ります。むしろ安いまま放置すると、繁忙期に格安で埋まってしまい大きな機会損失になります。

戦略2:競合の在庫が売り切れてから高値で出す(応用)

もう1つは、やや高度なテクニックです。

桜シーズンが近づくと、周辺の宿から順に在庫が埋まっていきます。そこであえて自分の宿は3月初旬〜中旬まで予約不可にしておき、周りの宿が売り切れたタイミングで、1泊6万円といった高値で在庫を一気に公開するのです。

すると、他の宿を予約できなかったゲストが「ここしか空いていない」という状況になり、高値でもそのまま予約してくれます。競合の在庫が消えてから勝負する、いわば後出しの戦略です。

リスクもあるため上級者向けですが、需要が極端に集中する時期にはハマると効果的です。まずは戦略1を着実に実践し、慣れてきたら戦略2も取り入れてみてください。

曜日や宿泊日数による民泊の料金調整テクニック

繁忙期・閑散期といった「季節」だけでなく、もっと細かい単位でも料金調整は可能です。代表的なのが「曜日」と「最低宿泊日数」を使った調整です。

金曜・土曜は10〜20%上乗せする

旅行需要は週末に集中します。そのため、金曜・土曜は通常の平日価格に10〜20%上乗せしておくのが基本です。

平日と週末を同じ料金で出していると、本来もっと高く売れる金土の日程を安く手放してしまうことになります。逆に、需要が読みにくい平日は相場どおり、あるいはやや控えめに設定して稼働を確保する——曜日ごとに強弱をつけるだけでも、月間の売上は変わってきます。

最低宿泊日数を「2泊以上」に設定する

意外と見落とされがちなのが、最低宿泊日数の設定です。「2泊から」しか予約できないようにすると、いくつかのメリットがあります。

最大のメリットは、清掃回数を減らせることです。1泊の予約が連続すると、そのたびに清掃が発生し、清掃費がかさみます。最低2泊からにすれば、同じ稼働日数でも清掃の回数を抑えられ、経費を節約できます。

さらに、連泊するゲストは旅行の予算が比較的潤沢な層が多く、多少高単価でも予約してくれる傾向があります。つまり「単価が高く、手間が少ない予約」を選んで取りにいけるわけです。

ただし、最低宿泊日数を長くしすぎると予約のハードルが上がり、稼働率が落ちるリスクもあります。物件の立地やターゲット層を見ながら、2泊・3泊と調整していくとよいでしょう。

料金設定がいかに収益を左右するか|運営データで見る変動の実態

「本当にそんなに差が出るのか?」と思われるかもしれません。実際の運営データを見てみましょう。

弊社が運営代行する物件では、同じ部屋でも月によって稼働率が大きく変動します。たとえばあるエリアの物件では、繁忙期に稼働率80〜90%台まで伸びる一方、閑散期には20〜30%台まで落ち込む月もあります。この波に対して何もしなければ、閑散期はそのまま赤字に直結してしまいます。

また、弊社が新宿エリアで運営する自社物件(1R・定員2名)では、AIと人によるハイブリッドの料金調整により、平均宿泊単価18,000円に対して最大宿泊単価38,000円を実現しています。月間売上で見ると、繁忙期と閑散期では2倍以上の開きが出ています。

つまり、料金調整とは「需要の波をならして取りこぼしを防ぎ、ピーク時には単価を引き上げて利益を最大化する」作業そのものなのです。同じ物件でも、調整するかしないかで年間の収支は大きく変わります。

民泊の料金設定を成功させる3つのポイント

ここまでの内容を、実践のポイントとして3つに整理します。

1. 半年〜1年前から動く 繁忙期も閑散期も、対策は早ければ早いほど有利です。直前になってからでは打てる手が限られます。「来年の繁忙期・閑散期はいつか」を逆算し、半年前から価格を仕込んでいきましょう。

2. 年間収支で黒字を考える 1日単位、1ヶ月単位で一喜一憂せず、年間トータルでの利益を見ます。閑散期は赤字回避、繁忙期は利益確保、と役割を分けて考えるのがコツです。

3. こまめに調整し続ける 価格は一度決めて終わりではありません。市場の動向や競合の状況は日々変わるため、それに合わせて見直し続ける必要があります。弊社でも、公開しているほぼ全ての日程について毎日1円単位で調整をかけ、年間収支の最大化に動いています。「思っている以上に調整している」というのが実態です。

民泊の料金設定は手動か自動ツールか|おすすめはハイブリッド

ここまで紹介してきた料金調整は、手動で行うこともできますし、自動料金調整ツールを使うこともできます。

代表的な自動ツールが「PriceLabs(プライスラボ)」です。市場の需要や競合価格を分析し、日々の料金や最低宿泊日数を自動で調整してくれるため、運営の手間を大きく減らせます。曜日別の上乗せや繁忙期の値上げなども、ルールを設定すれば自動で反映されます。

ただし、自動ツールは万能ではありません。設定によっては値段が極端に上がりすぎて「どう考えても予約が取れない」状態になったり、逆に下げすぎて取りこぼしたりすることがあります。アルゴリズムは過去のデータをもとに動くため、地域特有のイベントや直前の市場の空気感までは読みきれないのです。

そこで弊社がおすすめするのが、自動ツールと人力を組み合わせたハイブリッド型です。弊社でもPriceLabsを土台として活用しつつ、最終的には人の目で「この価格は現実的か」を確認し、手動で微調整しています。ツールで効率化しながら、最後は経験に基づく判断で仕上げる——これが年間収支を最大化する現実的なやり方だと考えています。

料金設定は手間がかかる|だからこそプロに任せる選択肢

ここまで読んで、「考え方はわかったが、毎日全日程を1円単位で見直すなんて現実的に無理だ」と感じた方も多いのではないでしょうか。

そのとおりで、料金調整は民泊運営のなかでも特に手間と専門性が求められる業務です。市場分析、競合チェック、イベント需要の把握、そして日々の価格更新——これを物件のオーナーが本業のかたわらで継続するのは、簡単なことではありません。

実際、弊社にご相談いただくオーナー様からも、対応のスピードや的確さを評価いただく声が多く寄せられています。

何を御相談しても、パッと的確な解決案を考えてくださりレスポンスも非常に早く、安心感が他とは全く違いました。 (出典:Googleマップ 民泊管理バンクの口コミ

民泊管理バンク(株式会社BizPato)では、最新のAI分析ツールと、2018年から積み上げてきた現場の運営ノウハウを組み合わせたハイブリッド型の料金調整を行っています。毎朝の市場分析をもとに、半年先まで1円単位で価格を調整し、稼働率と利回りの最大化を図ります。

民泊運営代行サービスについて

まとめ|民泊の料金設定は「年間収支の最大化」がゴール

民泊の料金調整について、改めて要点を整理します。

  • 民泊に定価はなく、需要と供給で料金は常に変動する
  • 閑散期は早めに値下げして稼働を確保し、赤字を回避する
  • 繁忙期は事前に値上げ、または競合の売り切れ後に高値で勝負する
  • 金土は平日価格に10〜20%上乗せ、最低宿泊日数の設定で経費削減と高単価化も狙える
  • 対策は半年〜1年前から始めるのが鉄則
  • 1日単位ではなく、年間収支トータルで黒字を目指す
  • 価格は放置せず、こまめに調整し続ける(自動ツール+人力のハイブリッドが効果的)

料金調整は奥が深く、しっかり取り組めば収益を大きく伸ばせる一方、片手間で続けるには負担の大きい業務でもあります。ご自身での運営に限界を感じたら、プロに任せるのも有力な選択肢です。あなたの民泊が、年間を通じてしっかり利益を残せる宿になることを願っています。

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