オリンピック時のAir bnbや民泊の値段設定について

2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピック。この機会に日本を訪れてみようという外国人観光客は増えることが予想され、宿泊施設の不足が懸念されています。実際、東京を中心にすでに深刻な宿不足に陥っており、首都圏の宿の価格が高騰しています。今後も価格はどんどん高騰していくことが予想されます。

それではそのような中で、実際にどれくらいの値段設定にすれば良いのか?ということが気になっているホストの方も多いのではないでしょうか?今回は首都圏を中心とした平均的な値上げ率についてお話しします。

監修者
民泊管理バンク 代表 高橋拓真

池袋で民泊運営しながら民泊代行サービスも展開

2018年に鎌倉で民泊運営を開始。その後、民泊運営代行も運営する傍ら、池袋(東京都)でも自社の民泊を運用中。

客単価と稼働率を上げることが得意。民泊運営のリアルな情報を発信している。

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1. 2020年東京オリンピック・パラリンピック開催時期

2020年東京オリンピックは2020年7月24日(金)に開会式(開会式に先だって、7月22日から始まる競技もあります)が行われ、約2週間にわたっての史上最多の33競技・339種目が42の競技会場で実施されます。そして、8月9日(日)午後9時からの閉会式を迎える日程となっています。また、パラリンピックは8月25日(火)から9月6日(日)までの2週間弱の会期となります。

2. 宿泊施設の不足が予想されるエリア

現在首都圏を中心にホテルの新規建設や改装が急増しています。また最近では、クルーズ船を利用することで事前に滞在先を押さえておかなくてもオリンピックの開催に合わせて観光が可能なプランも増えていることから、「宿泊施設の不足」説は、一旦は落ち着きを見せています。

とはいえ、滞在先が未定の状態で土地勘のない日本に来ることは非常に勇気がいります。やはり、オリンピックの開催に合わせて日本を訪れる外国人観光客のためにも、特に渋谷、新宿、浅草、千葉県などのエリアでは十分な宿泊施設の確保が急務となっています。

3. オリンピック需要における民泊の値段

今回は渋谷、新宿、浅草、千葉県を中心に調べてみました。期間はオリンピック需要が最も大きいであろうと予測される2020年7月後半から8月までです。

ざっと見た感じだと、スーパーホストは値段が多少高くても予約がきちんと入っているという印象です。ただ、2019年12月現在では、30%しか満室になっていないことから、まだまだ予約は入っていないという現状です。

しかしこの30%は非常に立地も条件も良い物件が大多数です。民泊の数はこれからどんどん増えることが予想されますが、条件の良い物件は予約が取りにくいことに変わりありません。ということは、今からでも条件や立地の良い場所に民泊を出せば儲かるということも言えるでしょう。

また、同時期における価格帯を調べてみたところ、衝撃的な事実がわかりました。なんと、すでに現在の平均的な価格帯の10倍以上も値上がりをしています!

2019年12月末現在 2020年7月23日~8月10日 値上がり
渋谷 8,979円 91,292円 10.16
新宿 8,947円 91,230円 10.19
浅草 10,765円 118,069円 10.96
千葉県 8,416円 93,471円 11.10

4. オリンピック時の民泊の値段はどこまで上がるのか?

言い換えれば、ホストにとって2020年7月後半から8月にかけては、民泊に超絶バブルが到来するということでもあります。通常よりもかなり強気(高め)の価格設定でも、予約が入ることが期待されます。

というのも韓国で平昌オリンピックの時はオリンピック会場から1時間かかる場所でさえ1泊15万円だったと私の知人が伝えてくれました。このことを考えると、日本も同様の現象が起きるのではないでしょうか?

日本のケースをもう少し細かく調べてみましょう。

渋谷、新宿、浅草、千葉県などのエリアの2020年7月後半から8月にかけての民泊の1泊あたりの価格を比較してみました。物件の価格帯としては、都心から少し離れた浅草や千葉県の物件は比較的安く、渋谷、新宿など、外国人観光客にとっても人気のエリアの物件は非常に高いことが分かります。

これは一軒家だからなどではなく、1人用の個室でも同じことが言えます。

エリア 一軒家 マンションなど
1部屋当たり 1人当たり 1部屋当たり 1人当たり
渋谷 231,000円 29,000円 97,000円 36,000円
新宿 164,700円 23,500円 81,500円 21,000円
浅草 140,250円 19,000円 135,000円 17,000円
千葉県 187,000円 17,800円 82,260円 17,500円

※マンションなどには、ホテルも含みます。

このことから分かることは、まだ予約が入っていない物件は、上記の価格帯まで値上げをしても今後予約が入る可能性があるということになります。これは今まで民泊を運営してきた人間からすると驚くほど利益率が高いわけです。

大会関係者がすでに多くの宿泊施設を押さえているという状況もあり、オリンピックのチケットが当選したのに滞在先がない…という人も続出しているようです。

そのような状況下、先日オリンピック観戦チケットの抽選申込受付(2次募集)が終了し、今後も2020年に予定されている「春期販売」や「公式リセール」で続々とチケットが出回ります。各国・地域でも同様にオリンピックのチケットの販売が開始されていることからも、オリンピック期間中の滞在先として民泊の需要は急速に高まることが予想されます。もちろん、直前になればなるほど宿泊施設が不足するため値段を上げることができます。

逆に考えれば、今から売り出すのではなく、直前まで予約できないようにしておいて、直前に通常の何十倍も高い値段で公開しても、おそらく予約は入るでしょう。というのも、直前に宿がなくて困っている人は当然のことながらいるからです。

5. まとめ

Airbnbは前回のオリンピック( 2016年開催のリオオリンピック)で公式サプライヤーに選ばれた過去があります。オリンピック開催期間中に同社のサービスを利用した方は85,000人以上にもなるといわれています。そのため、2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックにおいても同等もしくはそれ以上の経済効果が見込まれます。

今、民泊の中では最も熱いオリンピック需要、安い値段で売りさばかずに、ある程度戦略を持った上で値段設定をしていきたいところですね!

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