民泊で料理を振る舞うのは法律的に問題がないかどうかは非常に気になるところです。良かれと思ってやったことが、法律違反で民泊の届出を取り消されては困ります。
結論からお伝えすると、一緒に料理を作って食べることは全く問題ありません。反対に、料理をホストが作って一方的に提供する場合は、飲食店の営業許可を取らなければ、法律違反になってしまいます。
もう少し詳しい内容やどうすればゲストの満足度を高められるかについてお伝えしていきます。
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民泊で料理や飲食物を提供することは合法なのか?
先ほどお伝えした通り、民泊で料理を一緒に作る場合は合法です。一方で以下の表の通り、一方的に料理を提供する場合は法律違反となります。
提供方法 | 法律 |
---|---|
一緒に 料理を作る | 合法 |
一方的に 料理を提供する | 飲食店営業許可が必要 |
料理を一緒に作る場合は合法
民泊で一緒に料理を作る場合は、基本的に合法となります。例えば、ピザを一緒に作って庭にあるピザ窯で焼く場合は特に問題ありません。万が一、食中毒になった場合でもゲスト自身で料理を作っているため、ホスト側に責任は問われないという法律の解釈になります。
また、民泊物件としても一緒に料理を作ったという経験はゲストの満足度を高めることにも繋がりますし、高評価のレビューをいただきやすい傾向にあります。
私の場合は、一緒に料理を作ることでレビュー評価はほぼ5を毎回いただいていたほどです。
料理の提供のみは違法
一方で、レストランのような形でオーナーさんが調理した料理を提供するだけの場合は、一般的なレストランと同じ扱いになるため違法となります。この場合、オーナーさん自身が食品衛生責任者の資格を取ったり、飲食店営業許可を取得したりする必要があります。
料理を提供するだけですが、合法的に提供するためには時間と手間がかかるため、可能な限りゲストと一緒に料理を作ることをおすすめします。
民泊で飲食を提供する方法とは?
とはいえ、ゲストの満足度を高めたり、地方の民泊の場合は近くにレストランなどがないため、料理を提供したい場合も多いはずです。そのような場合は以下の3種類の方法で料理を提供することをおすすめします。
- 一緒に料理を作る
- テイクアウトする
- 飲食店営業許可を取得する
1.一緒に料理を作る
先ほどお伝えした通り、家主在住型の民泊でゲストと一緒に料理を作ることは全く問題ありません。むしろこのやり方が最もゲストから高評価を得られる方法なので、一番おすすめです。
実際に、ピザやパン、うどんを1から作ったり、手巻き寿司体験などとして一緒にご飯を食べるのが良いでしょう。
私の場合はここで仲良くなって、実際に相手の国に旅行した際にゲストの自宅に泊めさせてもらったり、観光案内をしてもらったりしていたので、民泊というビジネス以上の関係性になれるのが特徴です。
2.近くのレストランからテイクアウトして提供する
2つ目の方法として、近隣のレストランからテイクアウトしたりUberEatsで運んでもらうという方法です。すでに飲食店として料理を提供している店舗からテイクアウトして料理を振る舞うのは全く問題ありません。
ただし、テイクアウトした料理をさらに調理することは法律違反になるため、テイクアウトしたものを盛り付ける程度で抑えておくことがポイントです。
とはいえ、民泊で料理が出てくること自体が珍しいため、テイクアウトしたものとはいえ、非常に喜ばれることが多いです。
3.飲食店営業許可を取得する
最後の方法として、最も難易度が高いものの、ゲストの満足度を高めたいという場合は、しっかりと飲食店営業許可を得ることも1つのやり方です。後ほど、具体的な方法はお伝えしますが、資格取得やキッチンの構造を変更するなど時間とお金がかかりますが、安全にかつ合法的に料理を提供する方法であるといえます。
このやり方で実際にフレンチのコース料理のような形で、インスタ映えする料理を提供したり、海外の人向けに目の前でお寿司を提供したりする宿もあり、非常に高評価を得ています。
私の場合は一個人としてここまでのことはできませんでしたが、1泊10万円以上の単価で打ち出す場合は、飲食店営業許可を得ることも視野の1つとして入れられるでしょう。
飲食店営業許可を取得して民泊で料理を提供する方法
さて、先ほどお伝えした料理を一緒に作ったりテイクアウトしたりするやり方は非常に簡単です。しかし、飲食店営業許可を取得するとなると非常に難しいため、簡単なやり方をご紹介します。
全体の流れとしては以下の通りです。
- 食品衛生責任者の資格を取る
- 台所の設備を揃える
- 申請書類を揃える
- 保健所に申請する
1.食品衛生責任者の資格を取る
まずは、飲食店営業許可を取得するためには、食品衛生責任者の資格を取得する必要があります。これは食中毒を防ぐ方法や適切な調理方法を学ぶ講義を受けて、試験を通過すれば取得できます。
弁護士資格のように難しい資格ではありませんが、ある程度の勉強と講座を受ける時間の確保が重要になります。また試験も年に数回あるので、試験の数ヶ月前から勉強すれば問題なく合格することが多いです。
2.台所の設備を揃える
資格取得後は、民泊で料理を調理する台所の設備を一般的な飲食店と同レベルまで整える必要があります。例えば、台所のシンクは2つ必要であったり、換気扇がきちんと備え付けられていること、冷蔵庫の温度が分かることなどが挙げられます。
詳しい要件は条例などでも定められていることもあるため、各自治体の保健所に事前に確認した上で、足りない設備を追加していく形が良いでしょう。
3.申請書類を揃える
飲食店営業許可を取得するための次のステップは、必要な申請書類を揃えることです。具体的には、以下のようなものが必要になることが多いです。
- 営業許可申請書
- 経営者の履歴書・写真
- 営業所の平面図
- 設備仕様書: 台所設備や衛生設備の詳細な仕様書を提出する場合があります。設備の性能や機能、衛生管理に関する情報が含まれます。
- 衛生管理計画書
- 食品衛生責任者の証明書
あくまで上記は一例なので、必要書類は各自治体の保健所に確認が必要です。
4.保健所に申請する
ここまでで一通り必要な書類は揃いました。最後にこれらを全て保健所に申請して、実地調査が完了すれば飲食店営業許可が発行されます。
しかし、やり方や要件などが各自治体によって異なるため、必ず事前に保健所に相談したり、行政書士に相談することが重要です。
民泊で飲食物を提供してゲストの満足度を高める方法とは?
ここまで実際に料理を作ってゲストに提供する方法をお伝えしてきました。最も現実的なものとしては以下の2種類でしょう。
- 料理を一緒に作る
- テイクアウトする
とはいえ、これ以外にもキッチンで自由に料理を作ってもらうために、レシピ付きで野菜やお肉などを用意しておいたり、地元の有名なパン屋さんのパンをプレゼントするなどのやり方もあります。
必ずしも料理を提供しなければゲストの満足度を高められないわけではないのでご安心ください。
なお、民泊の利益を最大化させるコツは、日々の雑務をオーナー自身が行う必要がない環境を整えることです。
たとえば、民泊代行サービスに面倒な業務をお願いすれば、ご自身は経営戦略を練って売り上げを上げる方法を考えられます。
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